ソフトウェア開発者の未来は

来週の話ですが、Microsoft社でちょっとしたイベントがあるので、顔を出してこようと思っています。Microsoft社としてはあくまでスポンサーという形みたいだけど。

ソフト開発未来会議
http://www.developerscafe.jp/future/index.html

趣旨としては

ITバブル崩壊による閉塞感に加え、未曾有の世界不況が重なり、ソフト開発領域でこれから何が起こるのか、情報システム価値を高めるために何をすればよいのか、いっそう不透明になってきました。ITコスト削減圧力や案件減少など目の前の問題にどう対処すればよいのかを知ると同時に、中長期的な自身、自社の将来設計をどう考えればよいか、幅広い視野に立った情報とヒントについて、パネルディスカッションを開催いたします。

私が高校生、大学生の頃はかなりパソコンというものにあこがれていました。もちろん、当時の私としてはプログラミングなんてできず、持っているパソコンの用途はもっぱらゲームに費やされていました。ただ、いずれパソコンを利用した職に尽きたいと感じ、今に至ります。
ちなみに大学時代は情報系の学科ではなく機械科でした。はい、溶接とか旋盤とかしてました。


ただ、今はどうなんだろう。新3Kなんて言われていて、実際のところそうなっている事を完全に否定することができないのも事実。そして、コンサルやSIerはともかくプログラマーとなると、単価の安いインドや中国にオフショアという形で多くの仕事が持っていかれている。最近ではタイに依頼する例もあるみたいだ。
このソフト開発未来会議の記事中にある座談会の中でも少しオフショアに関して触れられている。

その割には

そんな実情があって、実際に働いているそばでも外注として中国人が入ってきているのをよく目にする。でも、その割には全体的に危機感が足りないように思える。もしかしたら危機感が足りないのは私が見てきた会社だけなのかもしれないし、ただ単に余計なお世話なのかもしれない。
確かにオフショア開発は多くの企業が行っている。ただ、完全にうまくいっているケースは少ないようだ。これは、日本と中国の間の単純なコミュニケーション不足によるものもあるかもしれないが、開発スタイルの違いやそもそも文化の違い。品質に対する考え方の違いからも来ている部分はある。
ブリッジSEがブリッジ役として機能できているかも重要だ。中国人開発者の品質をブリッジSEがテストして補填することに一生懸命になりすぎて、本来のブリッジとしての時間を割けていないのも一つの問題点としてあるように思う
もしかすると、そういう現状から安心しているのかもしれない

でも

彼らの意欲はすごい。
考えてみると、オフショアという形だけでなく、日本語を覚えて中国からやってきて外注として派遣されてくるケースもある。聞く話によると、日本からの仕事を引き受けるためにJSTQB(ソフトウェアのテストに関する資格。その日本版)をわざわざ取得して信用を得ようとしている企業もあるくらいだ。当然のことながらJSTQBを受けるということからして日本語の能力というのは前提条件となる。
それだけの意欲を持った人間の集団が果たしていつまでも今の失敗しかかっている状態を野放しにしておくだろうか?
今後、ますますソフトウェアやITという分野は発展することはあれど衰退することはないのではないかと思っている。でも、そこで活躍しているのは誰なのか。
今後、オフショアが進んで基礎的な仕事がない状態で果たしてどこまで人は育つのか。コスト削減のために行っていることで結局自分たちの首を絞めてしまっているのじゃないか?

変わらなきゃ

ソフト開発会議の座談会では上流を担当するSEとプログラマの役割分担。コーディング経験のないプロジェクトマネージャに関しても触れられている。それぞれ話されていることはもっともな内容で賛同したい。
プログラマに限らずエンジニアは作っているものがどう使われるのかを考えていかなければいけない。相次ぐ仕様変更に対してSEへ不満をぶちまけていたところで、次の案件ではSEはまた同じことを繰り返してしまう。本座談会でも少し書かれている。

「要求仕様」などというと、最初から「要求」があるように思えてしまいますが、実際には経営者も、現場の業務担当者も何を要求すればいいか分かっていません。大事なのは、ビジネスをどうするのかという“目的 = What ”だけでなく、いま何ができるのかという“手段 = How ”をビジネス戦略立案に加えていくことです。現状は What は考えるが、How を考えていません。IT エンジニアの役割は、IT で何ができるのかという How をビジネスに提案し、ビジネス戦略と IT 戦略を融合していくことです。

こういう姿勢で臨まなければいけないだろう。ただ、実際にプログラマがどこまでものを言えるのかは難しいところはある。実現場の業務を学びながら一方で技術に関してもおろそかにしてはいけない。両天秤で結局どちらもうまくいきませんでしたとならないよう、そこはSEとの役割は明確にしなければいけない。
技術面でのサポート・提案を挙げる力を身につける必要が出てきそうだ

当日の内容

肝心の当日の内容はパネリストたちによるディスカッションのようだ。テーマは以下の3つ。

  1. 世界不況がいま、IT業界にどんな影響を及ぼしているのか?
  2. 台等するクラウドコンピューティング
  3. これからのソフト開発はどう変わるのか?

それぞれのパネリストたちがどう考えているのか、楽しみだ。こういうとき、自社のトップが出てくれれば何を言うのかがもう少し現実味を帯びて楽しみになるのだけどなぁ。
まぁ、そしたらそしたで少し行きづらくなりそうですけど。

それにしても

申し込みページへのナビゲーションデザインが悪すぎると思うのは私だけでしょうか。冒頭のリンクからどこに申し込みページがあるのかがさっぱり分からない。実は一番上の「緊急開催!〜」ってあるバナーが入り口になります。
さらにそこから申し込みページへ行かなければ行けない。最初のページをあわせると計3つのウィンドウが立ち上がる。何を考えてこんなナビゲーションにしたんだろう。早くも未来が不安になってきてしまった