結局「仕組み」を作った人が勝っている

荒濱一、高橋学著。「結局"仕組み"を作った人が勝っている」を読んだ

本書は、著者の両氏がこれまでに様々な"仕組み"を築いて成功してきた方々に話を聞いていく形の内容になる。取り上げられている"仕組み"は様々な分野にわたり、すでにその分野ではある意味確立した存在になっているがためにその内容をそのまま使う事が出来るわけではない。
そういう意味で、一つの例。ケーススタディとしての役割を本書は持っている。最初手に取ったときは「ただの自慢話」で終わってしまわないか少し不安ではあったけど、数々の"仕組み"というか、そもそも"何の仕組み"を作るのかという点においていくつかの気づきがあったのでまとめておきたい。

リスクを最小限に抑える

何かを行う上で、リスクというものはできるだけ抑えなければいけない。それはもちろんわかっているつもりなんだけど、"そもそも何をリスクとして考えるのか"というのが問題になる。
本書で取り上げられている"仕組み"所有者たちはその視点がいいのだろう。
自分自身はマッチングを行うための"場"を提供するだけにとどめ、"場"で行われる内容に関しては基本的にノータッチなマッチングビジネスを手がける奥山氏をはじめとして明確に線を引いたりする。また、商品を売るにしても、在庫が0の状態を可能にするドロップシッピングという手法に着目をした富田氏。
何であればビジネスとして成り立つのかという着目点だけでなく、それをどう生かしていくのかという"仕組み"を作り上げることが重要なのだろう

利益を確保する

アイディアがどれだけ優秀であっても、成功しつつあるビジネスモデルに関しては常に追手が来る。また、マッチングや紹介業のような間に入るビジネスモデルの場合には、直接取引をされてしまい、自分自身に利益が入らなくなってしまう事も考えられる。
また、あまりに厳しい契約内容にしてしまうと敬遠されてしまう事になるかもしれない。


彼らに共通する事は、win-winの関係を築こうとするところではないだろうか。自分自身だけでなく、相手にも利益がある"仕組み"を用意する。
相手に出資するだけでなく、繁盛するようにコンサルティングを行い売り上げに応じてコンサルティング料を手に入れる甲田氏。契約した場合には無料でホームページを作成する事によって顧客に対しても貢献する近藤氏。
ここには多くの場合先行者の、パイオニアとしての実績がものを言うのはもちろんなのだが、ただ"荒稼ぎ"するだけでない彼らの視点が何よりも大事なのだろう

仕組みってこういう事ばかりじゃないのでは?

さてはて、いろいろな方のいわゆる"成功談"を見てきた本書ではあるけど、どうだろう。
色々と確かに気付かされたことはある。この人たちはここまで考えていたのかー!って言う事はもちろんあるんだけど、何をもって"仕組み"としているのか。
また、その"仕組み"がなかったらどうなっているのかも面白いことだ。たとえば、明確に線を引いて自分自身にリスクを背負わないことは確かに大事だ。ただもしかするとそこにもビジネスチャンスはあるのかもしれない。そんな考え方もできるはずだ。
本書で終始しているのは、"いかに自分が最小限の動きでお金を稼ぐ仕組みを作るか"だ。考え方としては、仕事以外に楽しみを見つけ出したり、その時間を別な事に使いたいと考えている人が対象になるのだろう。本書でたびたび登場する本がある

金持ち父さん貧乏父さん
ロバート キヨサキ
筑摩書房
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実はこの本、恥ずかしながら私はまだ読んだことがない。なので言及することはできないが、"仕組み"は何もこういうった内容以外にもあるはずだ。
本書には第2段が存在し、手元に既にあるのでこのあたり、答えが何かしら出てくれればと楽しみにしている。