いつもと違う道で

いつも会社から駅に向かう道。何年も歩いてきた、実に見慣れた街並み。いつも通っている道をやめ、少し遠回りの道を歩いてみたい。そんな気持ちになんとなくなって歩いてみた。

変哲もないオフィス街

実のところ、遠回りといってもそんなに遠回りしたわけじゃない。一本隣の道を歩いてみただけだ。ただ、この一本は、距離にしては50メートルも離れていない道にも関わらず実に新鮮で、そして現実を見てしまった感がある。


いつも通っている道。どこにでもありそうなオフィス街の道。
企業が入っているビルや、コンビニ。薬局やちょっと高そうなマンション。大学の校舎が並んでいる何の変哲もないオフィス街。特に何も考えず、「このあたりはこんな感じ」という感じでいた。正確に言うと、何も考えていなかったというのが正しいのかもしれない。
何せただの出社するためにとおっているだけの道だ。自分の生活に関係も少ないし、オフィス街だから住んでいる人も少ない。
都心に住むことができるということはそれだけの収入もあることを裏付けている。それを考えると羨ましいと思わないでもないが、私個人としてはマンションよりは一戸建てのほうが好きなので特に何も感じなかった
だが

あるところにはある

一歩足を踏み入れたそこは、いつもの見慣れたオフィス街とは異なって、住宅があった。
いや、実のところそれを住宅だと認識するのに少し時間がかかった。それほどの豪邸が並んでいたのだった。そりゃーいるところにはいるさ。テレビで見るようなお金持ちの人は日本にはごろごろいる。それが分からない年代でも"不公平だ"と声を大にして叫びたい年頃でもない。
でも、まさか何年も歩いてきた道の一本隣にそんな光景が広がっているとはとても思っていなかった。これはちょっとショックだ。ショックというか、なんというか。軽くへこんでしまった。


いけない。いけないぞ。
あまりネガティブになるのはよくない。よくないんだー
だー